着物は季節の終わりに丸洗いに出したり、汗抜きをしたり、何年かに一度は洗い張りに出すという方もいらっしゃるかもしれません。でも、アンケートなどをとってみると帯のお手入れに関しては「出したことがない」「必要がないと思っていた」など、着物に比べると無頓着という方が多いのです。
「着物一枚に帯三本」などと言うとおり、着物よりも帯をたくさんお持ちになっている方も多いのに、分厚い袋帯などは特に、およそ洗えるイメージはありませんし、「帯を洗う」なんて聞いたことないという方も多いのではないでしょうか?
しかし、帯は着物よりも外側にありますのでなにかに触れることも多いですし、着付けの最中に意外にも自分の手汗で汚れていたりもします。汗をかけば湿り気は着物だけでなく帯にまで響いていることもあります。
帯もできるだけガードをかけることをお勧めします。そして、帰宅後は着物や長襦袢と同様に一晩下げて湿気を飛ばし、片付ながら汚れやほつれを点検してたたみます。着物と同様に、汚れやシミは早ければ早いほどキレイに落ちやすいので、見つけたらすぐに洗いに出すことを強くお勧めします。
たんすを開けるとカビ臭いことがあります。その原因が帯ということが実は多いのです。帯は一部を除き、帯芯が入っています。帯芯はほとんどが綿ですので吸湿性が高く、きちんと汗や湿気を飛ばしてから収納しているつもりでも、帯芯にカビが生えているというケースがとても多いのです。表からは見えませんから、気づきにくいのですが、帯はキレイなのにカビ臭いという場合は、ほぼ100%芯にカビが生えています。
初期のちいさな薄いシミ程度ですが、そのうちにカビはどんどん広がっていきます。表地に響かないうちに帯芯の交換をすることをお勧めします。