概要 | こんにちは、佐沼屋呉服店です。 まず、ルーブル美術館について少し説明します。ルーブル美術館は、フランス・パリにある世界最大級の美術館で、収蔵品は約38万点にもおよびます。有名なモナリザをはじめとする絵画や彫刻、古代エジプトの遺物など、世界中の貴重な美術品が所蔵されています。本展では、そのルーブル美術館の膨大なコレクションから厳選された73点の絵画が展示されています。 本展のテーマである「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなす重要なテーマです。本展では、ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画や、現実の人間の日常生活を描く風俗画を通して、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみがどのように描かれているのかを学ぶことができます。 また、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛や、人間が神に寄せる愛が聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題を介して信者たちに示されています。これらのテーマを掘り下げることで、西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのかを理解することができます。 16世紀から19世紀半ばまで、西洋各国の主要画家の名画によって愛の表現の諸相が展示されています。例えば、ルネッサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」では、彼女の神秘的な微笑みに恋焦がれる人々の想いが表現されています。バロック期のペーター・パウル・ルーベンスの「キューピッドの勝利」では、愛の神キューピッドが様々な神々を矢で射抜く様子が豪華な色彩と躍動感ある筆致で描かれています。ロマン派のウジェーヌ・ドラクロワの「サルダナパロス王の最期」では、愛に溺れた王の終焉が壮絶な筆使いで描かれています。 これらの作品を通じて、西洋美術史における愛の表現の変遷や、時代ごとの特徴が浮き彫りになります。また、展示されている作品は、ルーブル美術館が所蔵する膨大なコレクションの中から選りすぐりのものばかり。これだけの名画が一堂に会する機会は、めったにないので、ぜひ足を運んでみてください。 さらに、本展では、絵画だけでなく、絵画制作の背後にあるアーティストたちの想いや技術、さらには当時の社会背景や文化も紐解かれています。これにより、絵画に込められた愛のメッセージがより深く理解できるでしょう。また、展示解説やオーディオガイドを利用することで、作品を鑑賞する際の知識や理解が一層深まります。 東京新美術館で開催されている「ルーブル美術館展」は、美術ファンはもちろん、美術に詳しくない方でも楽しめる展覧会です。西洋美術史を代表する名画が一堂に会する貴重な機会をぜひお見逃しなく。そして、心に残る作品に出会い、愛の魅力に触れてみてください。 本展は、東京新美術館で開催中ですが、今後も全国各地で巡回展が予定されています。詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。 |
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会期 | 2023年3月1日(水)~2023年6月12日(月) 毎週火曜日 (祝日または振替休日にあたる場合は開館し、翌平日休館) |
開館時間 | 10:00-18:00 |
会場・アクセス | 国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木) ▶電車 ▶都営バス |