佐沼屋呉服店

2023.06.28

はじめに 


こんにちは。佐沼屋でございます。


雨後の新緑がひときわ濃く感じられる今日この頃ですね。


皆様いかがお過ごしでしょうか。


 


今回は、お着物の下に着る肌襦袢と長襦袢の違いについてご案内いたします。


お着物を美しく着こなす豆知識として、ぜひご一読いただけますと幸いです。


 


肌襦袢とは


肌襦袢とは肌の上に直接着る和装下着のことで、洋服で言うところのキャミソールのような役割を果たします。


お着物は洋服のように頻繁に洗うことができないため、肌襦袢を着ることで汗などからお着物を守り、心地よく着ることができます。


肌襦袢は外から見えない短いつくりとなっており、上下が別々に分かれた「肌着+裾よけタイプ」と、ワンピースのような「スリップタイプ」の2種類がございます。


「肌着+すそ除けタイプ」はその名のとおり、上半身に肌着を、下半身に裾よけを着用します。


肌着は直接肌に触れるため、吸水性に優れた綿などの肌触りの良い素材が主流です。


一方、裾よけは足さばきを良くするためにサラサラとした生地で作られているものが多くみられます。


 


長襦袢とは


長襦袢は肌襦袢と着物の間に着る和装下着の一つで、洋服で言うところのブラウスのような役割を果たします。


長襦袢は白の他にピンク、水色、クリームなどお色が豊富ですが、お着物と同じようにTPOによって使い分けることが大切です。


長襦袢を着る目的としては、汚れからお着物を守ったり、襟元のおしゃれを楽しんだり、裾さばきを良くするなど多岐にわたります。


長襦袢の素材は正絹、化繊、麻など様々ありますが、お色と同様、季節や場面に合わせて上手に使い分けましょう。


 


長襦袢の選び方


<サイズ>


長襦袢はお着物から少し短めのものを選びます。


サイズが合わないものは着崩れの原因となるため、裄丈はお着物よりも1センチ弱短め、着丈はご自身のくるぶし程度の長さが丁度良いかと思われます。


 


<シーン別>


先ほどお伝えしたとおり、お着物と同様、長襦袢にもTPOがございます。


黒留袖や黒紋付(喪服)といったフォーマルな場面では必ず白の長襦袢を選びますが、訪問着や付け下げの場合は単色の柔らかいお色味でも構いません。


小紋や紬などカジュアルな場面では、お好みに合わせて自由におしゃれを楽しんでください。


 


どちらかではなく、どちらも着用するもの


肌襦袢と長襦袢の違いや役割などについてご紹介してまいりました。


肌襦袢と長襦袢は名前が似ているため「どちらか一方だけ着れば良いのでは」と思われることもありますが、お着物を着る際はどちらも必要です。


 


双方の大きな違いとして、


【肌襦袢】長襦袢の下に着用する肌着


【長襦袢】お着物の下に着用する下着


となります。


 


最後に 


季節の変わり目でございますので、くれぐれもご自愛くださいませ。


次回の記事もお楽しみ頂ければ幸いです。