佐沼屋呉服店

2024.7.12

こんにちは、佐沼屋です。着物を着る上で欠かせないアイテムの一つが半衿です。この小さな部分が着こなし全体の印象を大きく左右し、スタイルを格上げする鍵になります。半衿はお顔まわりを彩るだけでなく、首回りの汚れを防ぐ実用的な役割も果たしています。一般的には白の半衿が多く見られますが、最近ではさまざまなデザインやカラーが登場しており、着物のコーディネートに彩りを加える要素としても活躍しています。


今回は素材面からアプローチしてみたいと思います。


 


〇各季節に合わせた半衿(素材)の選び方


塩瀬(しおぜ)


横畝の特徴を持つ塩瀬は、10月から5月下旬までの季節に適しています。結婚式やお祝い事の場にふさわしいこの半衿は、正装だけでなく、小紋や紬などカジュアルな着物にもマッチします。


絽(ろ)


6月から9月下旬にかけて最適な絽は、薄手で通気性に優れています。暑い季節の単衣着物に最適で、涼しげな装いを演出します。


麻(あさ)


麻半衿は、特に6月下旬から8月下旬の盛夏期に適しています。夏紬や麻の着物との相性が良く、清涼感あふれるコーディネートを可能にします。


絽縮緬(ろちりめん)と縮緬(ちりめん)


絽縮緬は6月上旬から6月中旬、9月中旬から9月末まで、一方、縮緬は11月中旬から2月中旬の冬季に最適です。どちらも単衣や袷の着物に合わせやすく、季節感を演出します。


楊柳(ようりゅう)


縦しぼが特徴的な楊柳は、春と秋にぴったり。5月初旬から5月末、また9月中旬から9月末にかけて使用すると良いでしょう。


 


〇コーディネートを格上げする半衿の選び方


着物の半衿選びは、その日の装いだけでなく、着る人の個性やシーンに合わせて慎重に行うべきです。以下のポイントを参考に、さらに詳しく見ていきましょう。


 


〇イベントに合わせた選び方


結婚式やお茶会などのフォーマルな場では、シンプルかつ高級感のある素材の半衿が推奨されます。色目は白を基本とされるといいでしょう。一方で、友人とのカジュアルな集まりやお出かけには、明るい色や現代的なパターンが施された半衿が適しており、楽しげな雰囲気を演出します。


 


〇顔映りを考慮した選び方


半衿は顔の近くにあるため、顔映りに影響を与える重要な要素です。自身の肌色や髪色に合わせて、顔色を明るく見せる色や柄を選ぶことで、より美しく、健康的な印象を与えることができます。


 


〇素材の選び方


季節に合わせた素材選びも重要です。暑い季節には麻や絽などの通気性の良い素材が、寒い季節には縮緬やウールなど保温性の高い素材が適しています。また、素材の質感も着物全体の雰囲気を左右するため、高級感を求める場合は絹の半衿が良い選択です。


 


〇パーソナルスタイルの反映


半衿を選ぶ際は、自分のスタイルや好みを表現するチャンスです。トレンディなデザインや個性的な模様の半衿を選ぶことで、一般的な着物スタイルに個性を加え、自分だけの特別な着こなしを創出することができます。


 


着物と帯が主役であることは間違いありませんが、半衿によっても全体の印象は大きく変わります。皆さんも、半衿を上手に活用して、ワンランク上のおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。