こんにちは、佐沼屋呉服店です。今回は着物の収納方法についてお話します。
〇着物
着物はたとう紙に包んで収納します。たとう紙は通気性があり、湿気やカビから着物を守ると同時に、柔らかな質感が着物の素材を優しく包み込みます。これにより、着物同士の擦れや傷つきを防ぎ、美しい風合いを長く維持することができます。また、たとう紙に包むことで着物の折りじわも軽減され、取り出した際にも美しさを損ないません。季節ごとに衣替えを行う際に、たとう紙で包まれた着物を取り出し陽に充てて湿気を逃がすことで衣類の新陳代謝を促進し、美しい状態を保つのにも寄与します。総じて、たとう紙は着物を美しく、長寿命かつ整理された状態で保つために欠かせないアイテムとなっています。
たとう紙で包まれた着物を整理ダンスに収納する際には注意点がいくつかあります。桐製の整理ダンスは通気性があり、湿度調整に優れていますが、直射日光や高温多湿の場所にはおかないようにしましょう。これにより、着物の素材や色合いを長く保つことができます。
桐以外の素材で作られた整理ダンスの素材が通気性に欠ける場合、湿気管理が肝要です。湿気の多い季節や場所では湿気吸収剤を使用して内部の湿度を抑え、逆に湿度が低い場合には加湿器を活用して着物の乾燥を防ぎます。直射日光や高温を避け、風通しの良い場所に整理ダンスを設置することも重要です。総じて、たとう紙で包まれた着物を桐以外の整理ダンスに収納する場合は、湿度管理と着物同士の保護に留意し、乾燥剤の利用を組み合わせて、美しい状態を持続させることが大切です。
〇帯締め
帯締めを整えて収納する際には、通気性の低いビニールやナイロンの袋を避け、代わりに底の浅い木箱や紙箱に収めると帯締めの劣化を防げます。収納方法として、単に結んで収納するだけでなく、房を中央に配置して和紙でくるんで箱に仕舞う方法も効果的です。
〇帯揚げ
帯揚げは多少シワになったとしても、お太鼓の中に隠れるので、収納に際してはそこまで気にする必要はありません。タンスや引き出しの収納スペースに合わせて折り畳んだり、重ねて収納してもいいですし、100円ショップで購入した仕切り板を利用して色や柄別に整理して箱に収納する方法も便利です。使用頻度が高く、枚数が少ない場合は、ハンガーにかけて収納するのもひとつの選択肢です。
〇草履
草履の手入れと収納の際には、履いたあとに乾いた布で良く拭いてください。頑固な汚れが残っている場合は、固く絞った布を利用して優しく拭き、そのあと充分に乾燥させてください。
草履の収納においては、湿気や直射日光を避け、通気性のある場所を選ぶことが鍵となります。保管中の湿気は草履にとっては大敵であり、高湿度の場所ではカビが発生する可能性があります。また、購入時の袋やビニール袋には入れず、ホコリ対策が必要であれば、和紙で包んで収納するようにしてください。特に草履の底部分は接着剤で張り合わせていることも多いため、湿気による剥がれには十分注意が必要です。
長期間使用しない場合は、着物を虫干しするタイミングで、草履も同時に陰干することがオススメです。これにより、草履を長持ちさせることができます。
〇まとめ
着物を正しく収納することは、快適な着物生活を支える大切な要素です。適切な収納は、大切な着物の風合いや艶を守り、着る喜びをより一層感じられるでしょう。初心者でも気軽に始められる収納習慣を身につけ、素敵な着物ライフを楽しんでください。